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ふることふみにようこそ! カウンター人目の訪問者です。参考文献、引用等は、水谷清 先生 著 古事記大講 です。

ふることふみ(古事記)

あめつち はじめ おこるのとき たかあまはら に なりませる かみの みなは あめのみなかぬしのかみ

5−1

つぎに くに いとけなく うきあぶらの ごとくして くらげなす ただよへるの とき 
次国稚         如浮脂而         久羅下那州多陀用弊流之時

あしかびなし  もえあがるものによりて  なりませるかみのみなは

如葦牙      因萌騰之物而      成神名

うましあしかび ひこぢのかみ つぎに あめのとこたちのかみ 
宇摩志阿斯訶備比古遲神   次   天之常立神
このふたはしらのかみもまたひとりがみなりまして かくりみにます
此二柱神亦独神成坐而               隠身也

つぎになりませるかみのみなは  くにのとこたちのかみ つぎに とよくもぬのかみ
次成神名           国之常立神      次   豊雲野神
このふたはしらのかみもまたひとりがみなりまして かくりみにます
此二柱神亦独神成坐而               隠身也


ウマシ    摂取堅縛樽の神力(タアマハラ)   機会成熟
アシカビ   発射進展の神力(タカアハラ)    事物発現
ヒコヂ    自在交流の神力(カアマハラ)   完結成就

アシカビとはタカアマハラの全象、全神性、全神力、言霊であります。タカアマハラの内部は 無限無数のアシカビに分かれ、その一つ一つをウマシアシカビヒコチノガミというのであります。その アシカビの全てを統合し統一するときの呼び名を天之常立神というのであります。

 天之常立神(あめのとこたちのかみ)は高御産巣日神(たかあみうむすびのかみ)と同一神であるが、ただウマシアシカビヒコチノガミという詳細な内実を保っている点が違うのであります。
 この「ウマシアシカビヒコチノガミ」(火性のムスビ・アシカビの無限の発動)が出現すると必然 天性のムスビが発現し、霊魂の不滅を保証する「天之常立神」が出現してくるのであります。
 アシカビの無限の発動と霊魂不滅の保証とは不離一体の関係にあります。
 ウマシアシカビヒコヂノカミと天之常立神とは独神(ひとりがみ→同一神)であって、一方を立てれば他方は奥に隠れるという「独神隠身」(ひとりがみかくりみ)の関係にあるのであります。
 このひとりがみかくりみの概念は理解しがたいのですが、たとえば、右手がうましあしかびひこぢのかみ左手があめのとこたちのかみとすれば、両手を後ろに隠せばたかあみうむすびのかみ右手を出せばうましひこぢのかみ右手を後ろに隠して左手をだせばあめのとこたちのかみと言うところでしょか。

 火性・天性のムスビが明瞭に発動してくると、それに呼応して水性・地性のムスビが発現してくるのであります。
 
 火性のムスビに対しては、水性のムスビになるのであります。
 
 天性のムスビに相対応して、地性のムスビの働きが発現して、物質不滅の保証(万世一系の樹立)をなす「国之常立神」が出現してくるのであります。

 国之常立神(くにのとこたちのかみ)は摩訶御産巣日神(まあかみうむすびのかみ)と同一神であるが、ただトヨクモヌノカミという詳細な内実を保っている点が違うのであります。
 この「トヨクモヌノカミ」(水性のムスビ・アラユルムスビの無限の発動)が出現すると必然 地性のムスビが発現し、永遠無窮の保証する「国之常立神」が出現してくるのであります。
 地性のムスビとしての「豊雲野神」(とよくもぬのかみ)の、トヨとは無限無料豊満の義であり、クモヌはクミヌシで、あらゆるムスビを尽くすヌシの義であります。
 従って「豊雲野神」(とよくもぬのかみ)とは、国之常立神(くにのとこたちのかみ)の内部を構成する神力で、豊かな組合わせを保つ、無限無数無量の体系統の神力であり、一切皆善至美至妙完全円満大調和のありとあらゆる”無限””無数””無量”のムスビをなす働きであります

 一神即万神の意義から言えば、一切万有は悉く皆「豊雲野神」(とよくもぬのかみ)の表現と言えるのであります。
 これらの働きを総括して呼ぶときの御名が国之常立神(くにのとこたちのかみ→クニトコタチノカミではない)であります。
 トコタチとは、不滅の義であり、永久不変の確立であり・永遠無窮の保証であります。
トヨクモヌノカミと国之常立神とは独神(ひとりがみ→同一神)であって、一方を立てれば他方は奥に隠れるという「独神隠身」(ひとりがみかくりみ)の関係にあるのであります。
 このひとりがみかくりみの概念は理解しがたいのですが、さきほども言ったように、右手がトヨクモヌノカミ左手がくにのとこたちのかみとすれば、両手を後ろに隠せばまあかみうむすびのかみ右手を出せばトヨクモヌノカミ右手を後ろに隠して左手をだせばくにのとこたちのかみと言うところでしょか。

「天之常立神」  霊系続の神力、霊本位、霊主体従、積極的、動的、・・・
         アーのトコタチ、アーの修行は関口開眼的修行
         アーは自我を無限に伸展して、全一に合致する方法。
「国之常立神」  体系統の神力、体本位、体生霊従、消極的・静的、・・・
         クーのトコタチ・クーの修行は閉口閉眼的修行
         クーは沈思瞑目して精神集中、禅定に入る方法。

5−2


つぎに なりませるかみのみなは うひぢにかみ つぎの いもすひぢにのかみ
次   成神名         宇比地邇神  次   妹須比智邇神
つぎに つぬぐひのかみ つぎに いもいくぐひのかみ
次   角杙神     次   妹活杙神
つぎに おほとのぢのかみ つぎに いもおほとのべのかみ
次   意富斗能地神   次   妹大斗乃辨神
つぎに おもだるのかみ つぎに いもあやかしこねのかみ
次   淤母陀琉神   次   妹阿夜訶志古泥神


宇比地邇神・・・・・奇魂(くしみたま)の神。天神統の神。
          各種の神通を現し、不可思議な現象を呈す、超越意識神力。
角杙神・・・・・・・幸魂(さちみたま)の神。火神統の神。
          動物の魂や人類の平素の意識力に当たる、普遍意識神力。
意富斗能地神・・・・和魂(にぎみたま)の神。水神統の神。
          植物の魂や不随意運動を司る半覚醒状態の意識神力。
淤母陀琉神・・・・・寝魂(ぬるみたま)の神。地神統の神。
          鉱物や自然現象に見られる、魂が眠っているかの如き意識神力。
妹須比智邇神・・・・精体(せいたい)の神。風神統の神。
          電磁波の超物質。
妹活杙神・・・・・・気体(きたい)の神。雷神統の神。
妹大斗乃辨神・・・・液体(えきたい)の神。海神統の神
妹阿夜訶志古泥神・・固体(こたい)の神。山神統の神。

 一神が二神に、二神が四神に、四神が八神に、というようにはたらきが分かれてくるにしたがって、一神の内実が更に詳細こ顕現されてくるのであります。
 ここには一神が四魂四体(しこんしたい)という表現をとる根本要素が整ったことを示しているのであります。
 易経における太極から両儀を生じ、両儀は四象を生じ、四象から八卦を生ずという表現と似た点があるのでありますが、易経では真理原則としてとらえ、古事記では神御自体の発現発動をとらえるのであります。
 
 真理とは神の永遠の生命の発動の一瞬一瞬新たに現れては消えてゆく移り変わる影に過ぎないものであります。

6−1


つぎに いざなぎのかみ つぎに いもいざなみのかみ
次 伊邪那岐神     次   妹伊邪那美神

四魂を統括した中主隠身を活魂(いくむすび)と言い、普通には「霊」と呼んでいる。
一魂四魂とは、一霊即四魂、四魂即一霊を現す。

四体を総括した中主隠身を「結」又は「元」と言う。
一元四体とは、一元即四体、四体即一元を現す。

 四魂は相互に具備していて(四魂互貝)、それぞれに一の魂の内に、他の三魂を保有しているのであります。

 四体もまた相互に具備していて(四体互具)、それぞれに一の体の内に、他の三体 を必然に具えているのであります。

 魂と体とは相互に具備していて(魂体互具)、魂中に体を、体中に魂を包含しているのであります。

 四魂と四体とは相互に具備していて(四魂四体互具)、それぞれに一の魂の内には、他の三魂と四体とを保有しており、一の体の内には、他の三体と四魂を具えているのであります。

 四魂四体は相互に変換が自由で、変化自在を現すことが出来るのであります。

 一例をあげると奇魂から他の三魂四体の何にでも自由に変化することができるのでありまして、これはつまり”魂体一如”の義を完成しているのであります。

 伊邪那岐神は魂神四柱の総括神で、一霊神として、奇魂(くしみたま)・幸魂(さちみたま)・和魂(にぎみたま)・寝魂(ぬるみたま)の要素を内実に保っているのであります、
 伊邪那美神は体神四柱の総括神で、一元神として、精体・気体・液体・固体の要素を内実に保っているのであります、
 いざなぎいざなみ二神の働きは相互に対立しているのであります。

 四魂四体の八神は宇宙構成の根本要素神でありまして、伊邪那岐・伊邪那美二神が前面に出て活動する時には、ことごとく隠身となる神であります。
  
 岐・美二神(伊邪那岐・伊邪那美二神)は、この隠身の大要素を内実に受け持って、始源より永遠にわたり、無窮の創造活動を営む神さまであり、これ即ち創造神であります。

 総括してまとめますと・・・・ 
 天之御中主神(一神→宇宙絶対統一神)の隠身としての内実(宇宙構成の根本要素)を示すと、二神(高御産巣日神・摩訶御産巣日神)となり、四神(字麻志阿斯訶備比古遲神・天之常立神・国之常立神・豊雲野神)となり、八神(宇比地邇神・妹須比智邇神・角杙神・妹活杙神・意富斗能地神・妹大斗乃辨神・淤母陀琉神・妹阿夜訶志古泥神)となるのであります。

 そして天之御中主神が創造神として活動するときの名を、伊邪那岐神・伊邪那美神と言うのであります。

7−1


妹(いも)と背(せ)の関係について

伊邪那岐神 : 神漏岐系・父系・霊系・精神・左旋本位・順流・陽神・男神・
伊邪那美神 : 神漏美系・母系・体系・物質・右旋本位・逆流・陰神・女神・
イモのイは鋳るの義で、全力全心全体を対者へうちこみ与え尽くした状態であり。
イモのモはオモウ(思・念)のモで、対者の他は何も思わない状態であり
イモとは陽榊こ対して、自己のすべてを相手にうちこみ与え尽くして、不離一体となった陰神の神聖恋慕の真情を表す言葉で、天之御中主神の至情発露に基づくのであります。

伊邪那岐神は伊邪那美神に対して、自己のすべてを、一切報いを求めずに、与え尽くして無の極に至ると伊那那美神の立場に立つことになるのであります。一方伊邪那美神は伊邪那岐神のすべてを、素直に全感謝の心で受け入れることによって、伊邪那岐神の立場に立つことになるのであります。伊邪那岐神(順流)と伊邪那美神(逆流)は交互に立場を変えて、永遠に働き続けるところの不離一体の神なのであります。

霊は体によって活き、体は霊を宿して活きるのであります。
男神と女神とは一体の表と裏の関係である。男神の裏を女神の神力が走り、女神の裏には男神の神力が活動しているのであります。
イザナは誘導(いざなう)の義で、相互に誘導し合って、万神万生万有を創造するので、イザナ神と言い、その霊神をイザナギと言い、その体神をイザナミと言うのであります。

 四魂は一霊の発作であります。
 これ即ち、一霊神である伊邪那岐神は必ず四魂としてのみ活現するのであります。

四体は一元の発作であります。
 それゆえに一元神である伊邪那美神は必ず四体としてのみ活現するのであります。

 ここに各神さまの神力の特性をまとめますと・・・・

宇比地邇神(奇魂くしみたま)・・・・ 左旋外発神カ  40%  左施内聚神力  10%
角杙神(幸魂さちみたま)・・・・・・・・・・左旋外発神カ  30%   左旋内聚神力  20%
意富斗能地神(和魂にぎみたま)・・・・・左旋外発神カ  20%   左旋内聚神カ  30%'
淤母陀琉神(寝魂ぬるみたま)・・・・・・・左旋外発神カ  10%   左旋内聚神力  40%

妹須比智邇神(精体)・・・・・右旋外発神カ  40%   右旋内聚神力  10%
妹活杙神(気体)・・・・・・・・・右旋外発神力  30%   右旋内聚神力  20%
妹大斗乃辨神(液体)・・・・・・右旋外発神カ  20%   右旋内聚神力  30%
妹阿夜訶志古泥神(固体)・・右旋外発神力  10%   右旋内聚神力  40%

となるのであります。

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00.01.02.03.04.05.06.07.08.09.10.11.12.13.14.15.16
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33.34.35.36.37.38.39.40.41.42.