ふることふみにようこそ! カウンター人目の訪問者です。参考文献、引用等は、水谷清 先生 著 古事記大講 です。

ふることふみ(古事記)

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あめつち はじめ おこるのとき たかあまはら に なりませる かみの みなは あめのみなかぬしのかみ


あめのみなかぬしのかみ が たかあまはら と なり(成り鳴り生り)あめつち(天地)がはじめおこる(初発する)

                   たかあまはら という 容相(成り)音声(鳴り)生命(生り)になる。

あめのみなかぬしのかみ(隠身絶対実在)の現象表現をたかあまはら と云う。
あめのみなかぬしのかみ(実在)即ちたかあまはら(現象)たかあまはら即ちあめのみなかぬしのかみ
あめのみなかぬしのかみがすべてのすべて。あめのみなかぬしのかみの他には何ものも存在しないのである。
あめのみなかぬしのかみが唯一無二の実在であり、唯一無二の現象である。
一神 即 万生 万有。  万神 万生 万有 即 一神。 
  たかあまはら(順流無形の神力)

1、たかあ     中心より外に向かって発射し進展する働き(発射神力)

2、た あま    外から中心に向かって凝集する       (凝集神力) 

3、 かあま    円融無碍に交流する             (交流神力) 

4、     はら  螺旋状に転回する              (螺転神力)

  らはまあかた(逆流有形の形状)

1、らは      螺旋状の波の形状

2、  まあか   全 大 多 勝 の形状

3、  まあ た  股 支 分 部 枝 等の形状

4、     かた  片 半 等の形状 

かみ とは、かくりみ(絶対神)かごりみ(仮凝身)かがりみ(耀身)かけりみ(駆身)かぎりみ(限身)の5つのことばをつづめたものであって、その1つ又は全体」を指して云う。



つぎに たかあみうむすびのかみ  つぎに  まあかみうむすびのかみ


たかあまはらには タカアマハラ(順流)とラハマアカタ(逆流)とがある。

  タカアマハラは宇宙構成の三大根本神力である。

  タカア ハラ      遠心的発射螺旋状神力

  タ アマハラ      求心的凝集螺旋状神力

   カアマハラ      円融的交流螺旋状神力

  ラハマアカタは相(形・容・姿・態)となる螺旋状波

  ラハマアカ

  ラハマア タ

  ラハ   カタ


たかあまはら(全大宇宙)には、神力と神相とが本来一体でありながら、相反する両面として働
いていて、「力」の作用で「相」が現れ、「相」の作用で{力」が種々に現れる。
この順逆二つの流れの結合によって、一切の万神万生万有が生み出される。

ミウムスビ(ミ  ウム  ムスビ)
二つの流れがお互いに結合し、新しいものを生み出してゆく根本創造の働きである。
一切の万神万生万有は在る(ある)のではなく、なる(成る・鳴る・生る)のである。成
るということは単なる存在ではなくて、生成である。生成とは一瞬一瞬 新生し、無限に
伸展することである。不断に無限の創造が続けられて、無限無量の個々性、種々相に活現
することである。


タカアマハラの順流をタカアで代表し、ムスビとカミを付けて、神力系統大祖神と仰ぐ。

「タカア  ミムスビ  ノカミ」   神力大祖神

                    タタア(父)系・かむろぎ(神漏岐)系・霊魂系〈霊系)

タカアマハラの逆流をマアカで代表し、ムスビとカミを付けて、神相系統大祖神(体系)

「マアカ  ミムスビ  ノカミ」   神相大祖神
Q
                     ママア(母)系・かむろび(神漏美)系・物質系(体系)

あめのみなかぬしのかみの父系(霊系)としての現れが「タカア ミムスビ ノカミ」である。

あめのみなかぬしのかみの母系(体系)としての現れが「マアカ ミムスビ ノカミ」である。















 あまてらすおほみかみ いみはたやにましまして かむみそおらしめたまふときに そのはたやのむねをうがちて あめのふちこまをさかはぎにはぎて おとしいるるときに あめのはたおりめ みおどろきて  ひに ほとをつきて みうせぬ かれここに あまてらすおほみかみ みかしこみて
あめのいはやどをあけて さしこもりましましき

 天照大御神 坐忌服屋而  令織神御衣時 穿其服屋之頂  逆剥天斑馬剥而 所堕入時 天服織女見驚而 於梭衝陰上而死 故於是 天照大御神見畏 開天石屋戸而 刺許母理坐也

 忌服屋(いみはたや): 天地経綸の機織りの神業を意味する。天地(宇宙・世界)を縦糸と横糸の相対のすべてを織りなして、完壁な大調和の相象に治め整える神業そのものを意味し、天照大御神が忌服屋そのものに成りきっているのである。忌とは、畏敬の心で、差し控えて口にしないこと、また斎であり、最高荘厳の機織りのすがたは、真清浄・真無垢であることを意味している。

 神御衣(かみみそ): 天地(宇宙・世界)は天照大御神の御衣であり、装いである。一瞬一瞬新たな御衣を織りなし、最高の装いを凝らしているのである。

 天斑馬あめのふちこま):種々の色彩で斑入りになっている、飛び跳ねる力の強い天馬に例えて、地球の内部の火熱が猛烈な勢いで噴き上がり、多量の土塊を含んだ大爆発・大噴火の状態を意味している。

 逆剥剥(原文は旧字体、さかはぎにはぎて):尾の方より逆に生剥に皮を剥ぐことであり、火熱の物凄い状態を表現しているのである。

 梭(ひ): 機織りの際、横糸を通す操作に用いるもの。

驚天動地の大噴火・大爆発に、天地経綸の機織りの働きが妨げられて、中断したことを、梭に陰(ひにほと→新たなるものを生み出す場所)を衝いて、死んだ、という表現をとっている。太陽と地球の間には、無数の糸(霊線)による天地経綸の機織りが成されていたのである
が、そこへ大噴火・大爆発〔この時に地球は23.5度傾いた〕が加わって、太陽からの霊線は断絶され、地上には全く太陽からの光線も熱線も到達しない状態に陥ったわけである。しかしこの惑乱の時に既に、生命の種子は地上に降ろされているのであって、大爆発によって地軸の傾斜したことも深遠な意義を持ち、地球の進化が神の御心のままに計画通りに運ばれてゆくことになるのである。天石屋(あまのいわや)とは、絶対の境界を意味する。深い深い絶対の祈りの境地に立つことが、開天石屋戸而 刺許母理坐也(あまのいわやどをあけてさしこもりましき) ということである。

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 天照大御神さまは高天原(タカアマハラ→顕界・幽界)を光一元に輝かし、絶対統一するのが役目なのであります。
 顕界(光明世界)を光一元に輝かすのみではなく、幽界(暗黒世界)をも光一元に輝かしてこそ、その働きは真に偉大なのでありありまして、その表現もこの上なく完全円満完璧なものとなるのであります。
 従って、暗黒(マイナス無限大のすがた)の到来は、幽界完成の為の必然の過程なのであります。
 天照大御神さまは暗黒の到来を嫌なものマイナスのものとして浅く受け止め捉えているのではなく、逆に崇高な・偉大なものとして畏敬の心で眺め、受け取っているのであります。
 何事においてもハンデイキャップを背負うということは、競技者にとっては、名誉であって、眞のチャンスを与えられたことになるのであります。
 どんなときでも、解決不可能と見える難問題に遭遇直面するとき、心身共に引き締まり、真剣な心で全力を尽くさずにはおれなくなるものであるのです。
 そして見事難問題を解決達成したときの喜びは無限に無限に大きいものとなり、その素晴らしさも無限に大きいものとなるのであります。
 幽界すなわち暗黒界を光一元に輝かすということは、難事中の難事でありまして、その至難の業を達成するために、天照大御神さまは今絶対の境地に入り、深い深い祈りの境地に立って、御神事に当たろうとしているのであります。
 刺(さし)とは、戸に物を刺して固めること、許母理(こもり)とは、隙間無く周りを囲まれている中に入って外に出ないことであります。すなわち刺許母理とは、絶対の世界に深く深くは入り切った状態を意味しているのであります。
 顕幽両界を絶対統一する力は、絶対の世界に入りきってこそ得られるものであります。
 天照大御神さまは絶対の世界から得た無限の無限の大光明をもって、マイナス無限大からプラス無限大に至る、顕幽両界を光一元に輝かそうとしているのであります。

 天石屋戸(あまのいわやど)とは黄泉比良坂(よもつひらさか)に置かれた千引岩(ちびきいわ)にあたるものであります。
 高天原(全大宇宙→たかあまはら→顕幽両界)は千引岩をもって顕界と幽界に二分されているのでありますが、天照大御神さまが天石屋戸を開けて、顕界に入りきって、その戸を閉めるとき、幽界は全く光明(天照大御神さまのこと)の無い状態となるわけであります。
 即ち、幽界(高天原の半分のこと)のすべてが全くの暗黒世界になったというわけなのであります。

 天照大御神さま天石屋戸をあけて顕界に入りきるということは、これ即ち幽界は真っ暗になると言うことはさきほど申し上げたとおりでありますが、これは、別の言い方見方をすると素戔嗚尊様(すさのおのみことさま→天照大御神さまの半面)の地獄界(マイナス無限大)の建設であるとも言えるのであります。
 地獄界(マイナス無限大)を出発点として、幽界をマイナスのより少ない表現の世界となるように、進化向上させることによって、その結果、幽界を光一元に輝かせることは、幽界を絶対統一することなのであります。

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